『範士が語る』山城 宏惟 範士
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『範士が語る』山城 宏惟 範士
八段合格への道標
「受かる人の剣道とはそれがひとつの芸術になったかどうかだ」
試合、審査になると多くの人は平常心ではいられない。緊張によって普段の稽古で出来ていることが出来なくなったり、動きが硬くなったりする。では、どうすれば稽古の成果が試合、審査で発揮できるのだろうか。
山城範士は「不動心、平常心という言葉を自分なりにわかるようにしたほうがいい」と語る。その方法として、試合や審査の直前になると頭の中の自分と体の中の自分でよく会話をするという。「体の中の自分はいつも一生懸命稽古をしている。審査になると頭の中の自分が現れて、ああしよう、こうしようと考えだす。そこで(心身の)バランスが崩れてしまう。」という。審査で普段通りの動きをしようと思っても、頭の中の自分、すなわち雑念が邪魔をしてくるという意味であろう。失敗している人の多くはこのバランスが崩れてしまっていると山城範士は感じている。
普段の稽古で上手の先生に掛かるときに策を練る、有効打突を打ちたいという欲深さが現れる。そういった雑念が現れたとき、普段の稽古から自分を制する工夫をすることが平常心を保つ秘訣かもしれない。
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